高収入かつビザ延長対象のミートファクトリー!ワーホリに人気の職業で働いたリアルな体験談
オーストラリアのワーホリで人気の仕事といえば「ミートファクトリー(食肉加工工場)」。高時給でビザの延長条件も満たせるため、多くのワーホリメーカーが挑戦します。
私自身も、アデレード郊外にあるトーマスフーズ(Thomas Foods International)というラム(羊肉)の食肉加工工場で約20か月働きました。最初の2週間はパッキングルームに配属され、その後は冷凍倉庫で勤務。ここでは、仕事内容や大変だったこと、仲間との関わりなど、リアルな体験談を紹介します。
※Thomas Foods International公式サイトはこちら。
1. パッキングルームでの仕事の体験談
最初に配属されたのは「パッキングルーム」。

私の担当は、カットされたラム肉が入ったパックの向きをひたすら整えるという仕事でした。
その後に作業するスタッフが機械でパックを密閉するため、私はその補助役のような位置づけでした。
ラインは常に動いており、製品が次々と流れてくるため、スピードと正確さが求められます。最初は手が追いつかず、製品を詰まらせてしまい、上司に注意されることも。初めての肉体労働ということもあり、仕事後は足腰が痛み、翌朝は腕や手がしびれるほどでした。「この先、続けられるのだろうか」と不安に思ったのを覚えています。
ただ、パッキング作業の良い点は、内容がシンプルで未経験でも覚えやすいこと。英語が苦手でも、周りを観察して真似すれば問題ありません。ナイフを使わず、重いものを持つことも少なく(最大でも5kg程度)、血や臭いもほとんどありません。そのため、女性スタッフも多く、工場内では比較的働きやすい部署でした。
(画像:パッキングルームで働いていた時の様子)
2. 冷凍倉庫での仕事の体験談
パッキングルームで2週間ほど経った頃、スーパーバイザーから突然の声掛けがありました。
「このままここで働いてほしかったけど、別の部署に移ってもらうことになった。今までありがとう。」
その瞬間、「ああ、終わった…。血まみれのきつい部署に行かされるんだ。」と覚悟しました。ところが実際に配属されたのは「冷凍倉庫(コールドストア)」。工場の最終工程を担う部署で、製品の入った箱を機械で梱包し、冷蔵・冷凍保管して出荷するのが主な仕事です。私はここで退職するまで約20か月間勤務しました。
作業環境は常に0〜5度。フリーザーと呼ばれる冷凍室は−25℃のため厚着をしていても体の芯から冷えます。さらに取り扱う段ボールは10〜30kgがほとんどで、体への負担は相当なものでした。基本は約20kgの箱をパレットに積む作業。慣れるまでは毎日全身が筋肉痛で、腕や肩、腰が特にきつかったです。加えて、ほぼ毎日残業があり、週の労働時間は43〜50時間に及びました。
大変ではありましたが、残業代のおかげで収入は大きく増え、血や臭いとも無縁の部署だったのは本当に助かりました。パッキングより自由度が高く、自分にとっては結果的に良い環境でした。
(画像:冷凍倉庫で働いていた時の様子)
3. 1日の流れ(例)
工場での生活は非常に規則的で、私の典型的な1日は以下のような感じでした。
10:30 起床:午後シフトだったため、昼前に起きる生活リズム。
11:00 食事:昼ごはんと、夜の職場用のお弁当を準備。
13:00 出発:職場が郊外にあったため、同僚のインドネシア人と車で通勤。
14:30 出勤:着替えて業務開始。
17:30 休憩:30分休憩。お弁当を食べて体力を回復。
20:30 休憩:2回目の30分休憩。お菓子で糖分補給。
00:30 退勤:早ければ24時、遅いときは深夜2時過ぎまで。
01:30 帰宅:夜食にラーメンを食べたりしてリラックス。
03:00 就寝:だいたい午前3〜4時の就寝。
昼夜逆転の生活でしたが、リズムさえ整えば体調は安定していました。
4. 大変だったこと
最も大変だったのはやはり体力面です。
寒さは重ね着で対策できましたが、20kg近い箱を繰り返し持ち上げるのは大きな負担でした。慣れるまでに数か月かかり、常に筋肉痛と戦っていたように思います。
また、機械トラブルで残業が延びることも多く、時には土曜日出勤になることもありました。仕事中心の生活になる覚悟は必要です。
言語面でも最初は苦労しました。指示が英語で飛んでくるため、分からないことばかりでしたが、同僚が助けてくれたり、ジェスチャーや観察で少しずつ理解できるようになりました。
さらに、工場全体で日本人は数人しかおらず、私の部署には日本人がゼロ。分からないことを日本語で聞けないのは心細かったですが、その分成長にもつながりました。
5. 良かったこと
大変な仕事でしたが、得られたものは非常に多かったです。
まず、目的だったビザの延長が叶いました。私は30歳で仕事を始め、31歳までにビザの延長申請する必要がありましたが、セカンドビザだけでなく、半ば諦めていたサードビザまで取得できました。
次に、安定した収入です。オーストラリアに到着してから3か月で生活が安定。残業による変動はありましたが、最低でも週1,000ドル、多いときは2,000ドル近く。月に約3,000ドル貯金でき、お金の不安は完全になくなりました。
さらに、日本人が少なかったことで多国籍の友人ができました。彼らと過ごす中で自然と英語力も向上。シェアハウスをしたり、休暇中に彼らの地元を訪れたりと、多くの思い出ができました。友人を通じて次の仕事も紹介してもらえ、オーストラリア生活が一気に広がりました。
まとめ
ミートファクトリーの仕事は決して楽ではありません。体力的にも精神的にもハードですが、その分得られる経験や成果は大きいです。私にとっては、オーストラリアに来たからこそ得られた貴重な時間でした。
「英語に自信はないけど稼ぎたい」「ビザを延長したい」「海外でタフな経験を積みたい」
そんな人には、ぜひ挑戦してほしい仕事です。
次回は、ミートファクトリーでの経験を通じて実際に取得した「セカンドビザ・サードビザ」の流れについて詳しく紹介します。


(画像:冷凍倉庫で働いていた時の様子)